まるっと解決　HACCP設備設計

HACCPに沿った設備設計のポイント

 

HACCP（Hazard Analysis and Critical Control Points）は、食品の安全性を確保するための国際的な管理システムであり、設備設計においてもその基準を満たすことが求められます。以下では、HACCPに準拠した設備設計の具体的なポイントを解説します。

 

1. ゾーニングと衛生管理区域の明確化

 

清潔区域、準清潔区域、汚染区域の分離

 

工場内を区域ごとに分類し、物理的な壁やバリアを設けることで、交差汚染を防ぎます。

 

各区域に適した衛生基準を設定します。

 

動線設計の最適化

 

作業者や原材料、製品、廃棄物の動線を分離し、清潔区域に不要な物が侵入しないようにします。

 

2. 設備の衛生設計（Sanitary Design）

 

清掃と洗浄が容易な構造

 

設備は汚れや微生物が蓄積しにくいシンプルなデザインとし、清掃が容易な素材（ステンレスなど）を使用します。

 

防水性と耐久性の確保

 

設備が高湿度や水洗いに耐えられるよう、防水性と耐腐食性に優れた素材を採用します。

 

隙間やデッドスペースの排除

 

隙間や角があると汚染物質が蓄積しやすいため、丸みを帯びたデザインや溶接による接続を採用します。

 

3. 温度管理設備の導入

 

冷蔵・冷凍設備の設置

 

食品の保存温度に応じた冷蔵・冷凍設備を設計し、HACCPの重要管理点（CCP）を管理します。

 

温度モニタリングシステム

 

各設備にセンサーを設置し、温度をリアルタイムで監視。

 

異常値が検出された場合にはアラームを発する仕組みを導入します。

 

4. 異物混入リスクの軽減

 

フィルターやスクリーンの設置

 

製造過程で異物混入を防止するために、原材料や製品が通過する箇所にフィルターやスクリーンを設置します。

 

金属探知機やX線検査装置

 

製品に金属片や異物が混入していないかを確認する設備を導入します。

 

5. 排水および換気システムの設計

 

排水システム

 

清潔区域から汚染区域への一方向排水を確保し、逆流を防ぎます。

 

排水溝には防臭トラップを設け、衛生状態を維持します。

 

換気システム

 

清潔区域には加圧方式の換気を採用し、外部からの空気の流入を防ぎます。

 

空気の流れが汚染区域から清潔区域に向かわないよう、気圧差を設計します。

 

6. CCP（重要管理点）に対応した設備設計

 

モニタリング装置の設置

 

温度、湿度、圧力などをリアルタイムで測定する装置を設置し、CCPの管理を支援します。

 

自動化された制御システム

 

CCPの基準値を維持するため、自動化された制御システムを導入し、人為的なエラーを最小限に抑えます。

 

7. 従業員の衛生管理設備の配置

 

手洗い設備の設置

 

清潔区域の入口や作業区域内に、非接触型の手洗い設備を設置します。

 

更衣室とエアシャワー

 

作業者が清潔区域に入る前に衛生管理を行えるよう、更衣室やエアシャワーを適切に配置します。

 

8. 定期的なメンテナンスと点検

 

清掃計画の策定

 

設備の定期清掃を計画し、記録を残します。

 

点検と修理

 

定期的な点検を実施し、異常があれば迅速に修理対応を行います。

 

まとめ

 

HACCPに沿った設備設計は、食品の安全性を確保し、衛生的な製造環境を構築するための基本です。創実ファシリティーズ株式会社では、HACCP基準を満たす最適な設備設計を提案し、食品工場の安全性と効率性を向上させるお手伝いをいたします。お気軽にご相談ください。