FSSC22000認証取得を見据えた工場レイアウト

FSSC22000（Food Safety System Certification 22000）は、ISO22000を基盤とした国際的な食品安全規格であり、食品工場が持続的に食品安全を確保するための総合的な仕組みを提供します。認証取得を見据えた工場レイアウトを計画する際には、食品安全と効率性を両立させる設計が求められます。以下では、FSSC22000に対応した工場レイアウトの具体的なポイントを解説します。

1. ゾーニングの明確化

区域の分類

工場内を清潔区域、準清潔区域、汚染区域に分け、それぞれの衛生基準に応じた運用を徹底します。

区域間の交差汚染を防ぐため、物理的な壁や仕切りを設けます。

区域間の移動制限

作業者や物品が清潔区域と汚染区域を行き来する際には、衛生管理プロセスを経る動線を設計します。

2. 動線計画の最適化

人と物の動線分離

作業者と原材料、製品、廃棄物の動線を分離し、交差汚染を防止します。

一方向の流れの確保

原材料の搬入から製品出荷までの流れを一方向に統一し、逆流を防ぐレイアウトを採用します。

3. 衛生設備の配置

手洗い設備の設置

各作業区域の出入口や清潔区域へのアクセスポイントに、非接触型の手洗い設備を設置します。

エアシャワーの導入

作業者が清潔区域に入る際に使用するエアシャワーを適切に配置し、体や衣服に付着した汚染物質を除去します。

更衣室の設計

清潔区域近くに男女別の更衣室を設置し、専用の作業服に着替える動線を整えます。

4. 温度管理区域の設計

冷蔵・冷凍エリアの分離

温度管理が必要な区域を独立させ、冷蔵・冷凍設備を効率的に配置します。

温度モニタリングの導入

温度管理区域にはセンサーを設置し、リアルタイムで温度を記録・監視できる仕組みを導入します。

5. 製品と廃棄物の管理

専用の廃棄物処理エリア

廃棄物が製品や原材料に接触しないよう、専用エリアを設け、動線を完全に分離します。

梱包および出荷エリアの設計

梱包エリアと出荷エリアを清潔区域内に配置し、最終製品が汚染されないようにします。

6. 換気と空調システム

加圧換気システム

清潔区域は加圧換気を採用し、外部からの汚染物質の侵入を防ぎます。

空気の流れの制御

空調設計において、空気が汚染区域から清潔区域に流れ込まないよう気圧差を設けます。

7. CCP（重要管理点）への対応

CCPモニタリング機器の設置

各重要管理点に温度センサーや金属探知機などのモニタリング機器を設置します。

記録管理システムの導入

モニタリングデータをリアルタイムで記録・保存し、迅速な対応が可能な仕組みを構築します。

8. レイアウト設計のための技術

3Dモデリングソフトウェア

工場全体のレイアウトを視覚化し、FSSC22000の要件を満たす設計を効率的に検討します。

シミュレーションツール

人や物の動線をシミュレーションし、レイアウトの効率性と衛生管理の適合性を確認します。

9. 教育と訓練のエリア確保

従業員教育スペース

規格に基づいた衛生教育やトレーニングを行うための専用エリアを設置します。

まとめ

FSSC22000認証取得を目指す工場レイアウトの設計では、食品安全を徹底しながら効率的な生産環境を構築することが重要です。創実ファシリティーズ株式会社では、認証取得を見据えた最適なレイアウト設計をご提案し、お客様の目標達成をサポートします。ご相談はお気軽にどうぞ。