まるっと解決　ゾーニング計画1

これで解決　衛生区画

 

食品工場における衛生区画の設定は、製品の安全性を確保する上で欠かせない重要な要素です。衛生管理の徹底と交差汚染防止を実現するために、適切なゾーニングと区域の設定が必要です。以下では、衛生区画の具体的な設定方法について説明します。

 

1. ゾーニングの基本原則

 

衛生区画を設計する際には、以下の基本原則を考慮します：

 

清潔区域と汚染区域の区別
— 工場内を衛生度に基づき清潔区域、準清潔区域、汚染区域に分類し、明確に区分します。

 

区域間の物理的な隔離
— 壁、ドア、エアカーテンなどを使用して、異なる区域間の交差を防ぎます。

 

2. 区域ごとの設定基準

 

清潔区域

 

主に包装、最終製品の加工、仕上げ作業が行われる場所。

 

加圧空調システムを導入し、外部からの汚染物質の侵入を防止。

 

床材は非吸水性で滑りにくく、洗浄が容易な素材を使用。

 

準清潔区域

 

一次加工や原材料の取り扱いを行う区域。

 

定期的な清掃と消毒が容易な設計。

 

作業員が汚染区域からこの区域に入る際には必ず消毒設備を利用。

 

汚染区域

 

原材料の搬入、廃棄物処理が行われる場所。

 

排水がスムーズに流れる勾配設計。

 

汚染物質が他の区域に影響を及ぼさないよう、密閉型ドアを採用。

 

3. 動線の管理

 

衛生区画の動線管理は交差汚染を防ぐために重要です。

 

人の動線

 

作業員の更衣室は清潔区域に隣接し、入口にはエアシャワーや手洗い設備を設置。

 

汚染区域と清潔区域の移動を制限する専用経路を設定。

 

物の動線

 

原材料と最終製品の流れを一方向に統一し、逆流を防止。

 

製品搬出入用の専用ドアを設置し、汚染区域と清潔区域を分離。

 

4. 空調と排水設計

 

空調管理

 

清潔区域には加圧空調を採用し、外部からの空気が流入しない設計。

 

区域ごとに独立した空調システムを設け、空気の交差を防止。

 

排水システム

 

清潔区域から汚染区域への一方向排水を確保。

 

排水溝には防臭トラップを設け、衛生環境を維持。

 

5. ゾーニング設計の具体例

 

原材料保管エリアは汚染区域として設定し、清潔区域とは完全に分離。

 

加工区域は準清潔区域または清潔区域に分類し、空調や手洗い設備を重点的に設置。

 

包装エリアは最も高い清潔度が求められるため、完全密閉型の設計を採用。

 

6. 衛生区画設定のためのツールと技術

 

3Dモデリング
— 設計段階でゾーニングや動線計画を視覚化し、最適なレイアウトを検討。

 

流体シミュレーション
— 空調や排水システムの設計をシミュレーションし、効果を事前に検証。

 

IoTセンサー
— 温度、湿度、空気の流れをリアルタイムで監視し、衛生環境を管理。

 

まとめ

 

衛生区画の設定は食品工場の運営において不可欠です。正確なゾーニング設計と設備の導入により、製品の安全性と品質を高めることができます。創実ファシリティーズ株式会社では、お客様のニーズに応じた衛生区画の最適な設計をご提案します。ぜひご相談ください。